ストレスが原因の腰痛

      2017/08/16

ストレスを感じている女性

慢性の腰痛がなかなか治らない、手術をして腰痛の原因を取り除いたのにまだ痛みが続いている。

このような治りにくい腰痛の原因は、ストレスによる「心因性」の要素が大きいことが分かってきました。

しかしなぜストレスのような精神的ダメージが、腰痛の原因となるのでしょうか。

⇒あなたの腰痛の原因は?

腰痛の痛みの原因とは

腰痛が辛い男性

腰痛の主な痛みの原因は次の4つに分けられます。

1.骨や筋肉に生じる痛み

2.神経障害による痛み

3.内臓疾患が原因の痛み

4.ストレスが原因の心因性の痛み

腰痛はこれらの原因が複雑に絡み合っておきることが多く、根本的な原因を見つけるのはとても難しいと言われています。

 

実は最近の研究で、痛みを強くしたり長期化させる原因となっているのが「ストレス」だということが分かってきました。

例えば椎間板ヘルニアになって治療を受けても全然良くならない場合、そこにはストレスや精神的不安がからんでいる可能性があるのです。

ストレスが痛みを強く感じさせる

下行性疼痛抑制系

人間の脳には、もともと痛みを押さえる下行性疼痛抑制系(かこうせいとうつうよくせいけい)という仕組みがあります。

この仕組みは痛みを感じると、まずはじめに脳内でドーパミンという神経伝達物質を放出します。

 

その結果、脳の中でμオピオイドという脳内麻薬が大量に放出され、痛みの信号が遮断されます。

μオピオイドが体に感じる痛みをコントロールしているんですね。

 

しかしこのドーパミンは、慢性的なストレスを感じているとうまく分泌することができません

その結果、痛みを押さえる事ができず、痛みを強く感じたりなかなか治りづらい状態を引き起こしてしまいます。

その痛みは更なるストレスとなり、痛みの悪循環が腰痛を慢性化させてしまうのです。

ストレスのせいで、痛みを押さえる仕組みが完全に機能停止してしまうということです。

画像参考:NHK 今日の健康

どんな治療が必要?

ではこのような腰痛には、どのような治療が行われるのでしょうか。

慢性腰痛の治療には、運動療法、薬物療法、認知行動療法の3つがあります。

運動療法

運動療法

もっとも基本的な治療が体を動かす運動療法です。

運動療法で期待できる効果は2つあります。

➀ 脳内の血液循環をよくすること

楽しく運動することでドーパミン放出を促すこと

運動も「辛いなぁ」「痛いのに動きたくないな・・」と感じながら行っても効果は半減してしまいます。

気持ち良いな、楽しいなと感じるくらいの運動を毎日行うようにしましょう。

例えば音楽を聴きながらストレッチをしたり、おしゃれなウェアを身に着けてウォーキングするとさらに楽しくできそうですね。

⇒簡単!寝ながらできる腰痛ストレッチ

薬物療法

医師の診察を受ける

痛みが強い場合や、他の治療に効果がみられない場合は薬物療法がおこなわれます。

ストレス性の腰痛が疑われる場合は、精神科や心療内科とも連携をとって治療を進めていくのが一般的。

まずは痛み止めの薬で痛みを押さえ、改善しないようであれば抗うつ薬や、抗不安薬、精神安定剤などを処方し、心のストレスを取り除いていきます

 

一見腰痛とは関係ない薬に感じますが、不安や緊張を取り除くことで痛みを抑えるしくみ(下行性疼痛抑制系)の働きが良くなることが期待できます。

腰痛なのに薬物療法なんて・・・と不安に思う方もいるかもしれませんが、欧米の研究では、6か月以上継続する痛みを我慢した場合、35~50%の人がうつ病にかかっている、という報告もあります。

深刻な状態になる前に、適切な治療を受ける事が大切です。

認知行動療法

認知行動療法

腰痛が起きた時、あなたはこんな風に考えたことはありませんか?

「腰痛が起きた!痛い!」

「もう今日はずっと動いちゃだめ、何もできない」

 

痛みがあると動けないと思ってしまうのは無理もありませんが、そのまま引きこもりがちになるとさらに腰痛が悪化してしまうこともあります。

実は「腰痛が起きたら動けない」という思い込みを、「痛みはあるけれど動ける」という前向きな考え方に変えていくことで、痛みをやわらげていくことができるのです。

 

このような何事もネガティブに考えてしまうことを「認知のゆがみ」といい、悪い方に考えてしまう考え方を前向きに変えていく治療法を「認知行動療法」といいます。

 

人は誰しも、考え方のクセのようなものがありますよね。

例えば

「友達が2,3人集まって私の方をちらちら見ながら話してる」

「きっと私の悪口だ」

と考えてしまいがちですが、

「ただ目があっただけだわ」

と考え方を変えれば、ストレスはかかりにくくなります。

ストレスを真正面から受け止めるのではなく、受け流せるような考え方をするように変えていくのです。

 

このような柔軟な考え方を身につけるために、精神科医などの指導のもと日記のように記録をつける方法があります。

腰痛を感じた時の状況・痛みの具合、気持ち、今後どうすれば良いかなどを記録することで、腰痛が起きた時の自分の考え方のくせを客観的に見つめる事ができます。

この方法は病院に行かなくてもできるので、興味のある方はぜひ一度試してみてください。

<日記の書き方の一例>

痛みを感じた時の状況 起きて立ち上がろうとした時
痛みの具合 一番辛いときを100とすれば50。我慢できるレベル
その時の気持ちは? また今日もやっちゃった・・
今後どうすれば良いか すぐに起き上がらずに布団の中で軽くストレッチをする 

大切なのは最後に今後どう改善すれば良いかを考える事。

こんな風に対処すれば次は大丈夫!と前向きに考えることで腰痛への恐怖心がなくなります。

ストレスを減らして腰痛を改善していこう

腰痛が治りづらい原因がストレスにあったなんて、なかなか気づくことは難しいかしいかもしれません。

それに、ストレスを全く感じずに生活するのは難しい話ですよね。

まずは「腰痛との向き合い方」を変えてみるという視点で、運動療法や認知行動療法にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

腰痛は「また痛みがおきるのが怖くて体を動かさなくなる」ことにより、さらに悪化することが分かっています。

「これくらいの痛みなら大丈夫、少しストレッチしてみよう」というように、腰痛とうまく付き合っていく考え方を見に着けていけたら良いですね。

⇒腰痛持ちが日常生活で気を付けたいこと

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