なぜ女性の方が腰痛持ちが多いのか?

      2017/08/28

腰痛は肩こりと並び日本人の国民病的な疾患です。

症状に差はあるにしても、誰でも一度は腰が痛くなった経験があるのではないでしょうか。

そんな腰痛は、特に女性に多く見受けられることも特徴的です。

それは偶然ではなく、女性特有の体質や生活習慣が原因となっているためです。

女性が男性よりも腰痛が多い根本的な理由

腰痛が女性に多く起こりやすい根本的な原因をご存知ですか?

 

まず挙げられるのが「筋力不足」です。

女性は男性に比べどうしても筋力が弱くなります。

筋力が弱いと腰椎をしっかりと支えることができないため、どうしても猫背になるなど姿勢が崩れてしまうのです。

この姿勢の悪化が腰痛へと繋がってしまいます。

また、筋肉量が少ないと体が冷えやすくなるので、冷えから腰痛に繋がることも女性に多いパターンです。

 

もう一つの根本的な理由として、女性の「尿道の位置」も腰痛を引き起こす原因と考えられています。

女性は男性と比べて尿道が短く、尿道口が肛門や膣といった細菌の多い場所と隣接しています。

このことが原因で尿道から大腸菌などが入り込み膀胱炎を引き起こしやすくなるのです。

膀胱炎は腰痛の元となる腎臓疾患の原因となることから、尿道の仕組みの違いも女性に腰痛が起こりやすい根本的な原因だと考えられます。

ホルモンによる腰痛

女性の腰痛にはホルモンが原因となっていることも多くあります。

生理痛や更年期障害など、ホルモンが原因となっている腰痛は女性ならではだといえるでしょう。

<PMS(月経前症候群)>

生理前にイライラしたり倦怠感を感じるなど、女性を悩ます症状をPMS(月経前症候群)といいます。

実はこのPMSの中には腰痛も含まれているのです。

PMSは20代前半から悩まされる人も多く、腰のだるさなど鈍痛のような痛みが特徴の腰痛です。

PMSが原因の腰痛は生理前に増える「プロゲステロン」という黄体ホルモンの分泌によるもので、生理中の腰痛は「リラキシン」という骨盤の動きを良くするホルモンの影響が強いとされています。

<妊娠・出産>

妊娠初期から産後にかけても「リラキシン」が分泌されます。

これは出産時に骨盤が開きやすくなるように靭帯を緩めるためのものですが、このリラキシンが原因で腰痛が発症する場合もあります。

運動不足の人など、骨盤周りの筋肉が少ない人に目立つ腰痛の種類です。

⇒「妊婦さんのための腰痛布団選び」5つのチェックポイント!

<更年期障害>

女性には40代後半から50代にかけて「更年期障害」が起こりますが、このときの腰痛には女性ホルモンが強く関係しているといわれています。

更年期にはエストロゲンの分泌が減少することで、体のあらゆるところに不調が現れ始めます。

更年期障害は女性ホルモンの影響によって起こる腰痛の代表的な原因だといえるでしょう。

⇒【骨粗しょう症】予防と治療について

女性特有の生活習慣から考えられる原因

女性の腰痛には女性特有の生活習慣からくるタイプのものもあります。

例えばハイヒールを履くことや、子育て・介護などです。

 

ハイヒールを履くと前傾姿勢になる体を真っ直ぐに保とうとする力が発生するので、無意識に腰に負担がかかる姿勢になってしまいます。

骨盤も極端に前傾してしまうことから、骨盤の歪みに繋がってしまうのです。

こうした姿勢の悪化は腰痛の大敵です。

 

また、子育てや介護はどうしても女性の負担が大きくなりがちで、無理な体勢で力を使うことも多くなり腰痛の原因となっています。

⇒日常生活で気をつけたいこと

内臓疾患による腰痛

腰痛には内臓疾患が原因となっているケースも考えられますが、女性の場合は特に婦人系疾患が多いため気を付けなければなりません。

女性特有の内臓疾患が原因と考えられる腰痛はたくさんありますが、その中でも特に注意しておきたい疾患をご紹介します。

<子宮筋腫>

女性の4人に1人がかかるといわるほど身近な存在である「子宮筋腫」。

実際によく聞く疾患なので他人事とは思えない女性も多いと思います。

子宮筋腫に最も多いのは40代で、35歳~59歳が全体の80%を占めています。

生理中の出血が多くなることからくる貧血や強い生理痛がメインですが、腰が重い・だるいといった腰痛が発症するケースも少なくありません。

<子宮内膜症>

近年増加傾向にある婦人病の一つが「子宮内膜症」です。

正確な原因がわかっていない疾患で、様々な説があります。

子宮内膜症の症状としては、強い生理痛や腰痛がメインとなります。

腰痛のタイプとしては子宮筋腫と同じく重い・だるいといった症状が特徴的です。

<卵巣のう腫>

あまり聞き慣れない「卵巣のう腫」ですが、卵巣に袋状の腫瘍ができる疾患で、悪化すると卵巣が捻れて激痛を伴うこともあります。

ほとんどの場合が良性ではありますが、最悪の場合は「がん化」することもあるので注意が必要な疾患でもあります。

この卵巣のう腫でも腰痛が発症することが多いのですが、特徴としてはのう腫のできている側の左右どちらかの腰に痛みが出ることです。

⇒腰痛からがんが発覚!放っておくと怖い腰の痛みとは

<子宮頚管炎>

こちらもあまり聞き慣れない「子宮頚管炎」ですが、膣から子宮へと繋がる部分に炎症が起こる疾患のことをいいます。

急激に炎症が起きるタイプと、症状があまりないまま慢性化するタイプにわかれます。

初期のころに腰痛が出ることはほとんどありませんが、症状の進行に伴い徐々に腰痛の症状が出て来ることが特徴です。

⇒深刻な病気が考えられる腰痛

女性の腰痛対策

女性に腰痛が多いのは女性ならではの体のつくりや生活習慣が原因ではありますが、もちろん予防することで多くの腰痛を防ぐことが可能です。

露出の多い服は避けて体を冷やさないことや、高いヒールの靴は履かないようにするなど、すぐに実践できることもたくさんあります。

ヒールの高さはなるべく5cm以内のものにしておくと、姿勢への影響も最低限に抑えられるのでおすすめです。

また、内臓系のトラブルを感じたときはなるべく早く病院で診てもらうようにしましょう。

特に女性は婦人系疾患の可能性もあるので、疲労とは違う異変を感じたときには一度病院で相談してみることをおすすめします。

⇒腰痛は何科に行けば良い?

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