あなたの腰痛の原因は?
2017/08/14
2012年にまとめられた腰痛診療のガイドラインでは、腰痛の85パーセントは原因不明だとされています。
85%ってかなり高い数字だと思いませんか?
これはほとんどの腰痛は、原因が分からないということになってしまいます。
こんなに医療は進歩してきているのに、なぜ詳しい原因が分からないのでしょうか。
腰痛の原因は、100人いれば100通り
例えばヘルニアなど椎間板に問題がある場合、MRI検査で異常な部分を見つける事ができます。
でも、なぜそのような異常な状態になってしまったのか。
その根本的な原因を見つける事は実はとても難しいのです。
なぜなら腰痛の主な原因は、個人個人の生活習慣や日ごろの悪いクセが元凶になっていることがほとんど。
しかも複数の原因が絡み合っている場合も多く、専門医でも何が問題なのか突き止めるのは至難の業なのです。
確かに診察のたびに患者一人一人の毎日の行動や、生活習慣などを全て確認していたら診察時間はいくらあっても足らないですよね。
患者さんの事をすべて把握するなんて、到底無理な話です。
腰痛の原因は自分自身で見つけられる
しかし、根本的な原因が分からなければ、いつまでたっても症状は改善しません。
たとえ一度は良くなったとしても、また必ず再発してしまいます。
慢性的な腰痛は、その原因を突き止める事が痛みから解放される近道です。
でも考えてみてください。
自分の体のことは自分が一番よく分かっているもの。
日頃の行動や習慣を振り返ることで、その中に腰痛の原因を見つける事が可能です。
次にご紹介するいくつかの原因、この中に思い当たることはありませんか?
主な慢性腰痛の原因
1.長時間同じ姿勢でいる、姿勢が悪い
立ちっぱなし、座りっぱなし、中腰などの無理な姿勢を長時間続けていませんか?
家事、車の運転、デスクワークなど、現代人は長時間同じ姿勢でいる事がとても多いもの。
長い時間同じ姿勢でいることで、腰の筋肉が緊張し血行が悪くなり、腰痛を引き起こします。
重心をこまめに動かしたり、時間を決めて身体を動かしましょう。
また、猫背のような姿勢の悪い人は、かなり腰に負担をかけています。
姿勢を正すだけで痛みが軽減することもあるので、気づいた時には正しい姿勢を取るようにしましょう。
2.運動不足、加齢による筋力の低下
運動不足や加齢によって筋力が衰えると、正しい姿勢を維持することが難しくなり腰に負担がかかります。
特に高齢者では、運動習慣がある人とない人とでは腰痛の発症率に明らかな差があります。
痛みがあると「身体を動かしたくない」と思ってしまいますが、腰痛を解消するには体を動かすことは欠かせません。
運動が苦手という方も、簡単なストレッチを行うだけでその効果を実感できるはず。
ハードなトレーニングで筋肉を鍛え上げる必要はありません。
簡単な動きで構いませんので、毎日続けることが大切です。
3.腰に負担のかかる動作をしている
重い物を持ち上げる動きは、腰への負担がとても大きく、ぎっくり腰などの急性腰痛になる原因のひとつです。
職場だけでなく、ペットや子供を抱き上げる時もあなどれません。
とはいっても、仕事や育児をしないわけにはいかないですよね。
激しい腰痛に襲われないように、腰に負担がかからない動きを身につけましょう。
4.肥満気味である
お腹周りにたっぷり脂肪がついていると、体の重心は自然と前の方にずれていきます。
そうすると背骨のS字カーブに歪みがでて腰痛が発症します。
さらに太っている人は運動不足ぎみの人が多く、筋力が低下して腰痛が起きやすい状態になりがち。
体重が多いというだけで、腰にとってはかなりの負担をかけているのです。
ただし、肥満が原因で腰痛になっている場合、体重を落とせば痛みは半減します。
無理をすると腰に負担がかかるので、少しずつ体を動かしながら体重を落としていけたら良いですね。
原因が分かったら、少しずつ改善していく
4つの原因の中で自分に当てはまるものが見つかったら、少しずつ改善するように心がけてみましょう。
最初はなかなか上手くいかないかもしれませんが、続けていくことで必ず効果は現れます。
また、姿勢を矯正したり、運動を始めたりすると腰に疲れがたまります。
日中のうちに溜まった疲労は、お風呂にゆっくりつかったり、しっかり睡眠をとることでその日のうちに疲れを解消することが、腰痛予防に欠かせない大切なポイントです。
ストレスも腰痛の大きな原因
ここ最近、原因不明の腰痛には心理的なものが大きく関係していることが分かってきました。
ストレス自体が直接痛みを引き起こすわけではないのですが、ストレスのせいで痛みを強く感じることがあるのです。
「最近精神的に疲れているな」という方は「心因性の腰痛」を疑った方が良いかもしれません。
深刻な腰痛のサイン
腰痛の原因のほとんどは、あまり深刻な病気を心配する必要がありませんが、まれに深刻な病気のサインとして出ていることもあります。
痛みがずっと続いている、痛みで全く眠れないようなときは、必ず病院で診察を受けましょう。